韓国ドラマ「おつかれさま」と詩『깃발』

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2025年3月7日にNetflixで初放送された韓国ドラマ「おつかれさま」(原題:폭싹 속았수다)は、済州島を舞台に、詩人を目指す少女オ・エスン(演:IU)と彼女を支える青年ヤン・グァンシク(演:パク・ボゴム)の感動的な物語を描いています。
このドラマのエピソード2で、韓国の有名な詩人ユ・チファンの『깃발(旗)』が重要なシーンで登場し、視聴者に深い印象を残しました。今回は、そのシーンと詩の魅力を詳しくご紹介します。

1. ドラマの概要

韓国ドラマ「おつかれさま」は、1950年代~の済州島を背景に、エスンが詩人になる夢を追いながら、グァンシクとの愛を育む物語です。ドラマは4つの「季節」に分かれ、キャラクターの成長と試練を描いています。エスンは文学的才能を持つ少女で、グァンシクは彼女を心から支える青年として描かれています。済州島の美しい自然と当時の厳しい社会状況が、物語に深みを与えています。

2. 詩『깃발』が登場するシーン

エピソード2の1968年のシーンで、エスンは家族や社会からのプレッシャーに押しつぶされそうになり、絶望的な気持ちでグァンシクのもとに駆け寄ります。彼女を慰めようと、グァンシクは学んだ詩『깃발』を朗読しようとします。しかし、彼の朗読はぎこちなく、うまく言葉を紡げません。それを見たエスンは、「詩はやめて、私を守って」と彼に頼みます。この瞬間は、グァンシクの純粋な愛とエスンの脆さが交錯し、二人の絆が際立つ感動的なシーンとなっています。

こん
こん

このシーンもグァンシクのエスンへの愛があふれる名シーンだよね。
「ノスタルジアも知らない男と結婚しない」というエスンの言葉にこたえるために、この詩を覚えるところが健気で。

3. 詩『깃발』

ユ・チファンの『깃발』は1930年代に発表された詩で、理想と現実の間で葛藤する人間の心を象徴的に描いた作品です。以下に、詩の韓国語原文と日本語訳を掲載します。

韓国語原文

이것은 소리 없는 아우성
저 푸른 해원을 향하여 흔드는
영원한 노스탤지어의 손수건
순정은 물결같이 바람에 나부끼고
애수는 백로처럼 날개를 펴다
오로지 망상의 눈으로만 산을 넘고
바다를 건너는
이노세엔스의 깃발
아아 누구던가
이 불길같은 정열의 표본을 세운 자는
그 소리 없는 항변
저 거역하는 자의 거역에 대하여
하늘이여, 그대의 용서 있으라

日本語訳

これは音なき叫び
あの青い海原に向かって振る
永遠の郷愁のハンカチ
純情は波のように風に揺れ
哀愁は白鷺のように翼を広げる
ただ幻の目で山を越え
海を渡る
無垢の旗
ああ、誰だったか
この炎のような情熱の標本を立てた者は
その音なき抗弁
あの反抗する者の反抗に対して
天よ、そなたの許しあれ

この詩は、「音なき叫び」や「永遠の郷愁のハンカチ」といった表現を通じて、言葉にできない感情や切なさを鮮やかに描いています。テーマは自由への憧れと現実の制約との葛藤で、深い余韻を残す作品です。

4. シーンの意義

グァンシクが『깃발』を朗読しようとするシーンは、彼がエスンの夢を支えたいという純粋な気持ちを象徴しています。しかし、彼の拙い朗読とエスンの「守ってほしい」という願いは、二人の関係の現実的な側面を示し、詩が持つ理想とドラマのテーマである「愛と夢」が交錯する瞬間となっています。詩はエスンの内面やドラマ全体のメッセージを映し出し、視聴者に深い感動を与えます。

5. 文化的背景

『깃발』は韓国で広く知られる詩で、中学校の国語教科書にも掲載されています。教育現場では、象徴的な表現や理想と現実の対比を学ぶ教材として使われており、韓国文学における重要な作品とされています。ドラマでこの詩が使われることで、視聴者はキャラクターの心情や文化的背景をより深く理解できるでしょう。

こん
こん

教科書に出てくる、韓国だと有名な詩なんだね。
「ノスタルジア」と言えば、この詩だね!

6. 結論

「おつかれさま」における『깃발』の登場は、詩の朗読を超えて、キャラクターの感情やドラマのテーマを際立たせる重要な要素です。詩とドラマが織りなす感動は、理想と現実の間で揺れる人間の心を美しく描き出し、視聴者に深い余韻を残します。ぜひこのシーンを観て、詩の力とドラマの魅力を感じてみてください。皆さんはこの詩とドラマからどんなインスピレーションを受けますか?

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